2.ガムと咀嚼機能(2)

(2)唾液の分泌促進
唾液には人間の健康に必要な生命の根源物質である酵素やホルモンなどがたくさん含まれている。ご飯やパンをよく噛んで食べると口中が甘くなるのは、唾液中に含まれているアミラーゼという酵素が澱粉を甘い麦芽糖などに変えるからであることがよく知られている。

また、唾液の中にはパロチンという唾液腺ホルモンが含まれており、これは若返りホルモンといわれ、いちばん老化の激しい歯、毛髪、生殖器などの機能維持に効果があるといわれている。

チューインガムの咀嚼時には多量の反射唾液が分泌されることから、口腔の二大疾患である齲蝕(うしょく)と歯周病の予防と関連して、近年種々の研究がなされている。一般に、食物の咀嚼時にはチューインガムに限らず唾液が分泌され、その滑剤作用により、咀嚼動作を円滑にさせている。唾液の役割にはそのほかに、口腔粘膜の保護作用、口腔の浄化作用、そしてpH変化を最小に保つ緩衝作用などがあり、口腔各組織の生理機能に強い影響を及ぼしている。

ところで、ガム咀嚼による唾液分泌促進およびpH緩衝作用を確認するため、三種類の香味の異なる(ペパーミント、酸入りと酸なしフルーツ)チューインガムと、糖や香料を含まないチューインガム(ガムベース)について咀嚼時中の唾液の分泌量とpHの変動を調べたところ、図3、および図4のようになった。

すべてのサンプルにおいて咀嚼中の唾液分泌量は増加し、30秒から3分後までが最も多量となった。ガムベースと他のチューインガムを比較した場合、咀嚼直後から約三分後まで後者はさらに唾液の分泌量が大となり、それ以後はほぼ同程度となった。これは咀嚼以外にチューインガムに含まれる糖および香料も唾液分泌を増加させる因子になっているからであろう。

またpHの変化は、酸入りチューインガムを除き、咀嚼直後から上昇して比較的高いpHレベルを保った。酸入りチューインガムの場合は咀嚼直後に下がったが、まもなく回復して他とはぼ同じレベルを保った。※3これは唾液の緩衝作用による現象であると考えられる。

以上のようにガム咀嚼には、唾液分泌を促し、pHの緩衝作用があることが確認された。

BackIndexNext



Copyright(c) 2001 Chewing gum association of Japan.