3.考察(1)

1.運転中における眠気の体験
運転中の眠気の体験を時間帯でみると,既日リズムを反映して,深夜から早朝にかけての時間帯が多く選択され,次いで13時から16時にかけてのいわゆるポスト・ランチ・ディップといわれる時間帯にも多く体験すると回答されており,橋本が示した既日リズムのパターンと一致していた。

一般に眠気は深夜から早朝にかけての時間帯に高い頻度で発生するものと考えられており,午後の軽い眠気は比較的見過ごされがちであるが,今回の調査結果をみると,改めて午後の時間帯における注意喚起の必要性が明らかになった。

また,眠気の発生を運転開始からの経過時間でみると,7割弱の運転士が概ね30分から1時間程度を経過した頃に体験すると回答したことになる。

北海道警察本部の発表によれば,交通事故が最も多いのは,運転開始から20~30分経過した頃であり,交通事故の半数以上は,運転開始から30分以内に起きているとされる。ちょうどその頃に,ドライバーが運転に慣れて来て集中力を失うためで,「単調の30分効果」といわれる現象である。

しかし,列車運転士では車の場合に比べて,その発現時間に遅延がみられる。これは,列車運転士の場合,少なくとも運転開始時刻の1時間前には出勤し,構内入換え作業や検修作業を行っており,それらの作業がウオーミングアップ効果となって運転前の意識水準を十分に引き上げていること,また,列車運転士の安全に対する職業意識が一般乗用車のドライバーに比べて高いことなどによるものと推定される。いずれにしても運転開始から30分ないし1時間程度を経過した辺りが,眠気発生時間の一つの節目であることが示唆された。

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